○照ノ富士 ー ●隆の勝
最大星2つの差がありながら追いつかれた横綱照ノ富士と追いついた隆の勝による優勝決定戦。
立ち合いで右差し左上手を狙った照ノ富士とぶちかました隆の勝。右喉輪から二本差しに成功した隆の勝だったが、体を振って右を巻き替えた照ノ富士に胸を合わせられてしまい上体が伸びてしまった。右四つとなり左上手を引いた照ノ富士が隆の勝を土俵際へ寄り立てると隆の勝も必死の粘りを見せたが、最後は右の腕を返した照ノ富士が寄り切って勝負あり。
序盤は隆の勝ペースの展開となりましたが、照ノ富士の巻き替えを契機に攻守逆転となりました。
隆の勝としては巻き替えられた瞬間に決め手を欠いたことが手痛かったですかね…
まあでもそこはさすが横綱というべきでしょう。
今場所は最終盤まで影を潜めていた隆の勝でしたが、特に最後の2日間の輝きはとても眩かったです!
ここ数年はケガの影響もあり平幕に甘んじていましたが、関脇として大関の地位を窺っていたかつての勢いが戻ってきたぞ!と皆に知れ渡ったことと思います。
来場所は再び上位総当たりの番付となりますので、改めて真価を発揮してほしいですね!
さて、今場所の幕内最高優勝は横綱照ノ富士となりました!おめでとうございます!!!
照ノ富士はコロナ禍のため東京開催だった令和2年7月場所での優勝経験はありますが、名古屋開催の場所では初めての優勝となります。これにより東京、大阪、九州と全ての地方で優勝を経験したことになりますね。
また優勝回数も節目の10回を数えます。これまで二桁以上の優勝を遂げた力士はわずか14名(当然ながら全て横綱)で照ノ富士はその仲間入りとなりました。
場所前は難しい決断をしたと思っていましたし、最終盤ではまさかの連敗もありました。しかし、終わってみればやはり横綱の凄さをまざまざと感じた15日間でしたね。
本来なら横綱が休場となれば新たな主役がその座を脅かすというのが健全な競争原理なのでしょうが、照ノ富士が終盤まで出場となれば他の力士の存在感が霞んでしまうというのがここ数年の現状となっています。
なんとかもう一つ、二つ頭抜けた力を付けた力士が大関すら通過点にして横綱へと登りつめてほしいものですね。
さて、愛知県体育館での最後の名古屋場所は大きなアクシデントもなく無事に閉幕しました。
来年からは心機一転新たな体育館での開催となりますので、楽しみに待ちたいと思います。
皆様、15日間お疲れ様でした。